マンション外壁塗装の最適な周期と期間|慌てて修繕しない!マンション外壁塗装のベストタイミングと具体的な施工期間

マンションの外壁塗装や大規模修繕は「何年ごとにすればいいか期間がよくわからない」方も多いかもしれません。マンションの美観や安全性のほか、資産価値を保つために、外壁塗装は欠かせないメンテナンスです。

外壁塗装をすることで、マンションの表面は塗膜で守られます。しなければ、徐々に紫外線や雨風でダメージを受けてボロボロになるのです。

ただ、外壁塗装は頻繁にするものではなく、初めて行うならわからないことばかりでしょう。工事期間や外壁塗装の周期を知れば、外壁塗装計画を安心して進められます。

そこで今回のお役立ちコラムでは、マンションの外壁塗装について、「外壁塗装・大規模修繕の適正周期表」「施工規模ごとの期間目安」やスケジュール例などをくわしくお話しします。

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劣化が進むと資産価値が大きく低下

入居希望者はマンションの外観も厳しくチェックして選んでいます。内見に訪れた入居希望者が外壁の色あせを見たら、どう感じるでしょうか?ひび割れも広範囲にあれば「ここはないかな」と敬遠する可能性は高まります。

また、外壁の劣化をそのままにしていると「管理ができていない」と判断されるリスクもあるのです。「おしゃれで見た目がいい」「少しでも新しいものがいい」「人に自慢したい」という気持ちがあれば、劣化したマンションは選ばれません。

防水性の低下で雨漏りや構造の腐食リスクが高まる

防水性が低下すると、雨漏りによる内部からの劣化が進む結果になります。最終的に誰も住めない、見向きもしないマンションになるのです。

マンションの外壁に幅0.3ミリ以上で深さも4ミリ以上もある大きなひび割れが発生したとします。雨水がひび割れから建物内部にまで侵入すると大問題です。

建物にも木材が使用されています。雨水に濡れると腐食するため、耐久性や耐震性が極端に低下してしまうのです。

鉄筋コンクリート造や鉄骨造にも雨漏りは致命的なダメージを与えます。コンクリートの中にある鉄筋は、雨水で濡れるとサビるからです。サビた鉄筋は体積が増えて膨張します。周囲にあるコンクリートを圧迫し、中から壊してしまうのです。

サビた鉄筋が周囲のコンクリートを破壊する現象は「爆裂現象」と呼ばれています。爆裂がマンションの高階層で起きると非常に危険です。落下したコンクリートが人にぶつかると大事故につながります。

カビも発生すれば美観だけではなく健康問題にも発展

入居希望者は内見で無視できない問題を見つければ敬遠するものです。理由の1つは設備面や機能性のほか、衛生面などが挙げられます。

誰も不衛生なマンションに住みたいとは思いません。不衛生と思われる大きな理由の人はカビでしょう。カビがあるなら選択肢からすぐに外されます。雨漏りで湿度が高まると、カビが繁殖しやすい環境につながるのです。

カビは吸い込むことで、カビアレルギーやシックハウス症候群のような健康被害につながります。幼い子どもはもちろん、高齢者にも深刻な体調不良をもたらすのです。

参照:独立行政法人環境再生保全機構 化学物質過敏症、シックハウス症候群とは

経済的な問題も深刻に!最適な修繕時期を逃すことで費用が倍増

外壁の劣化は放置するほど深刻な状態になっていきます。外壁の劣化症状として軽症と言えるのは、色あせや多少のコケやカビ汚れぐらいです。収入物件という点では、色あせや汚れも十分なネガティブ要素になるため避けたい所でしょう。

ただ、劣化症状の観点だけで見れば、まだ軽症と言えます。劣化症状が深刻になると塗膜のひび割れやはがれ、外壁材のひび割れまで発展するのです。下地である外壁材まで劣化が進めば、大規模な下地修繕を求められます。軽度の劣化より症状が倍増してもおかしくありません。だからこそ、適切な外壁塗装の修繕時期を把握しておくことが重要なのです。

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不具合はいつから?塗装工事のタイミングは?

国土交通省では外壁に不具合が発生する時期として、11年目程度と考えています。建て方や資材や立地などによっては、さらに短くなる可能性もあるのです。外壁塗装を検討したほうがいいのは約11年〜18年目、タイル張り補修は12年〜18年目を目安としています。より慎重に判断したいなら10年目から塗装業者と相談をはじめておいたほうがいいでしょう。

「修繕費用はお金がかかる」この考えが先に出てしまって、先送りしたいと考える方もいるかもしれません。ただ、適切な時期に修繕を行わないと、住民の不満が爆発するリスクもあります。とくに修繕積立金を出してもらっている場合、修繕責任を問われてもおかしくありません。適切な時期を見据えて修繕計画を進めることは、将来的なトラブルの予防にもつながります。

マンション外壁塗装の適正周期

マンションの外壁塗装に関して、施工の適正周期をくわしくお話しします。あくまで外壁塗装のみの目安ですが、施工のタイミングを検討する際の参考にしてみてください。

築年数 外壁の修繕内容 外壁以外の修繕(設備は除く)
築5年~10年 なし
  • ベランダの鉄部のサビ・割れ・色あせ・排水状況
  • 階段・廊下の鉄部のサビ・割れ・色あせ・排水状況
築11年〜15年 ひび割れ・シーリング材・汚れ・色あせをチェック。外壁塗装で修繕
  • 雨樋の塗装
  • ベランダの塗装と防水
  • 階段の塗装と防水
築21〜25年 ひび割れ・シーリング材・汚れ・色あせをチェック。外壁塗装で修繕
  • 屋根の葺き替え
  • 雨樋の塗装
  • ベランダの塗装と防水
  • 階段と廊下の塗装と防水
築26〜30年 内容も1回目、2回目と同じく劣化チェック。大規模修繕
  • ベランダの塗装
  • 階段・廊下の塗装

築30年以降も修繕が必要です。税制において耐用年数は、鉄筋コンクリート(RC造)の耐用年数は約47年に設定されています。また、上記の表はあくまで目安と考えてください。実際は立地環境や劣化次第で変動します。ただ、築30年以降はさらに大きなリフォームを考えておいたほうがいいでしょう。

小規模・中規模・大規模修繕とは?

修繕も規模によって小・中・大に分類できます。小規模修繕は数年ごとだけではなく、問題があれば随時実施する修繕工事です。日常的なメンテナンスや小さな不具合に対応します。

中規模修繕は築5年〜10年、大規模修繕までの中間あたりのタイミングで実施する修繕工事です。建物全体の維持と保全を目的とします。外壁の部分的な補修や塗装、屋上防水の部分補修、共用部分の床や壁の張り替えなどです。

10年を過ぎると大規模修繕を行います。建物全体をチェックし、劣化部分があれば、機能の回復と向上のために修繕工事をするのです。外壁なら全体の塗装や補修を行います。

マンションの外壁塗装の工期目安

実際の所、マンションの外壁塗装の工期は規模により大きく変わります。10戸以下と50戸以下で高階層であるほど、工期は変わりますし、劣化状態によっても変動するのです。また、季節によっても、梅雨時期や冬のような時期は塗料の乾燥まで時間がかかります。雨や雪が降れば、施工のストップも出てくるからです。

マンションでも戸建てのように塗装面積がマンションより小さい建物でも10日〜2週間はかかります。その点を踏まえると「必ず」とは言えませんが、小規模でも1か月以上はかかるでしょう。50戸以上で10階以上のマンションなら最低でも約2か月は見ておきたい所です。

参照:国土交通省 長期修繕計画標準様式 長期修繕計画作成ガイドライン 長期修繕計画作成ガイドラインコメント

参照:国土交通省 民間賃貸住宅の 計画修繕 ガイドブック

外壁修繕工事の流れの一例

以下は一般的な外壁塗装を含めた修繕工事の流れです。実際は各状況によって異なりますのであくまでご参考にしてみてください。上から順番に実施していきます。

着工前挨拶 外壁塗装は洗濯物も干せませんし、騒音もあります。住民だけではなく、近隣の方々への挨拶も必要です。告知なく外壁塗装がはじまると、住民からのクレームにつながります。

オーナー様や管理組合様は事前に告知しておいてください。案内文を用意しておくと確実です。基本的に挨拶は塗装業者もサポートしてくれます

足場設置 足場を設置します
高圧洗浄 汚れがあると、塗料の密着性が低下するため必須です。コケや藻やカビなどの場合、バイオ洗浄も実施します
下地処理 外壁には古い塗膜、ひび割れやサビなどがあります。平滑にするための工事です
養生 付着してはいけない箇所をマスキングテープやビニールシートで守ります
下塗り 下塗りで外壁面を均一にする工程です
中間検査 中塗り前に工程の進捗や不備がないかチェックします
中塗り 下塗りが完全に乾くのを待って、中塗りに進みます
上塗り 中塗りの次が上塗りです。塗膜に厚みを保たせるために2回塗布します
点検 塗り残しや塗りムラがないか点検します
足場解体 足場を解体し、廃棄物の撤去や清掃を行い引き渡しです
完工挨拶 住民や近隣の方に工事完了を伝えます

マンション外壁塗装の最適な周期と期間について|株式会社エースにご相談ください

マンションの外壁塗装は建物の美観や資産価値を守るために欠かせないメンテナンスですが、適切な修繕周期や施工期間を知らずに慌てて対応すると、費用やトラブルが増えるリスクがあります。

一般的に外壁塗装は築10年目以降から検討を始め、築11年〜18年目を目安に修繕を行うのが望ましいとされています。適切なタイミングで塗装することで、ひび割れや雨漏り、鉄筋の腐食など大きな劣化を防ぎ、長期的に建物の耐久性を維持できます。

また、マンションの規模や劣化状態、季節によっても工期は変動し、戸数が多い大規模物件では2か月程度の施工期間が必要になる場合もあります。工事の流れは、着工前挨拶から足場設置、高圧洗浄、下地処理、塗装工程、足場解体、完工挨拶まで段階的に進行し、丁寧な施工管理が求められます。

株式会社エースでは、マンションの築年数や劣化状況を踏まえた最適な外壁塗装の周期・施工計画をご提案いたします。お問い合わせフォームやメール、電話でのご相談、ショールームでの直接のご説明も承っております。安心して長持ちする外壁塗装を実現するために、ぜひ株式会社エースへご連絡ください。

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