大規模修繕における瑕疵保険の対象範囲と導入判断 ― ハウスジーメンの実務(兵庫県)
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兵庫県にも築年数の経過したマンションや商業ビルの大規模修繕を控えた建物が複数あります。ただ、修繕後「外壁の剥離」「防水層の亀裂」「漏水の再発」などのトラブル発生には注意が必要です。
工事直後は問題がないかもしれません。数年後、施工不良(瑕疵)が判明すると、再工事費用や住民トラブルが発生することになります。そうなると、管理組合の大きな負担となりえるのです。そこで注目されているのが、ハウスジーメンが提供する「大規模修繕瑕疵保険」です。
今回のお役立ちコラムでは、兵庫県での大規模修繕における、瑕疵保険の対象範囲・保証期間・費用負担・導入判断の基準をくわしくお話しします。あわせてハウスジーメンの実務についてもくわしくお話しします。
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ハウスジーメン瑕疵保険の特徴とメリットを徹底解説
瑕疵保険とは? 修繕後のリスクを補償する仕組み
瑕疵保険とは、工事後に発見された施工不良について、保険会社がその費用を補償する制度です。瑕疵については施工不良と考えてください。何かしらの理由で施工業者が補修できない場合、瑕疵保険が経済的な負担の助けになります。
瑕疵保険があるとリスクを減らせる
マンションの大規模修繕は「外壁の浮き」「剥離」「屋上防水の雨漏り」「配管やコンクリート補修の不具合」など、目に見えない欠陥が後から判明することがあります。
再工事になると、数百万円単位の出費につながる大問題です。そこで瑕疵保険があると、修繕後の費用リスクを最小化できます。
施工業者が倒産しても保証は続く
瑕疵保険の特徴は「施工業者が倒産しても補償が続く」点です。通常、施工会社が瑕疵について補修する責任を負います。ただ、施工会社も倒産する場合があるのです。倒産すれば施主様は泣き寝入りしかありません。
瑕疵保険があれば、ハウスジーメンなどの保険法人が直接補償金を支払ってくれるのです。つまり、施工業者の経営リスクがあっても、瑕疵保険があれば安心して施工できます。
株式会社ハウスジーメンとは?

ハウスジーメンは、住まいやマンションの建設・リフォーム時の施工不良に備えるための保険を取り扱う企業です。単なる保険会社ではありません。建物の品質を第三者として検査・評価する機関としても機能しています。住宅業界では信頼性の高い存在となっているのです。
事業の中心は住宅瑕疵担保責任保険
ハウスジーメンは国土交通省指定の「住宅瑕疵担保責任保険法人」のひとつです。(第5号指定)この保険は、新築住宅で施工ミスなどの欠陥が見つかったとき助けになります。
施工会社が補修を行えない場合でも、保険会社が修繕費を負担してくれるからです。施主様が万が一のトラブルで泣き寝入りしないよう、国が認めた仕組みを提供しています。
ハウスジーメンの瑕疵保険について|兵庫県での適用範囲
ハウスジーメンは国土交通省指定の「住宅瑕疵担保責任保険法人」です。その他にも以下のような住宅性能評価や適合証明検査といった第三者機関として機能しています。
- 住宅瑕疵担保責任保険法人(国土交通大臣指定)
- 住宅性能評価機関(国土交通大臣登録)
- 建築物エネルギー消費性能判定機関(国土交通大臣登録)
- 適合証検査機関(住宅金融支援機構)
- BELS評価機関(住宅性能評価・表示協会)
もともとは新築住宅の保険制度で知られていますが、現在は大規模修繕やリフォームにも対応しています。兵庫県でも、多くのマンション管理組合や修繕業者がこの制度を活用しているのです。
対象工事や保証期間・補償内容

主に「共用部修繕」を中心に、次のような工事が対象になります。
- 外壁塗装
- 防水層更新
- 屋上・バルコニー防水
- 鉄部塗装
- 外階段・廊下の防錆改修
- タイル貼り替え
- コンクリート補修など
一方で、美観向上のみを目的とした塗替えや小規模補修、専有部内のリフォームは対象外です。
保証期間と補償内容
標準では10年間の保証が設定されています。雨水の浸入や防水層の破断、外壁の剥落といった構造上・防水上の欠陥が補償対象です。
一部条件により短期契約の設定例もあります。工事項目を限定すると、無駄のない補償設計ができるのです。
検査体制と第三者チェック
保険加入時には、ハウスジーメンの登録検査員による現場検査が実施されます。中間検査と完了検査の2回が基本で、施工状況・材料・仕上がり・施工写真を細かくチェックし、是正指示が出された場合は再検査で確認します。すべての工程が基準を満たしたうえで保険証書が発行される仕組みです。
この第三者検査によって、施工会社以外の専門機関が品質を担保するため、管理組合や発注者は「客観的に保証された工事品質」を確認できるため、確かな安心感を得られます。
費用負担と導入コストの目安
ハウスジーメンの瑕疵保険の保険料は、基本保険料や、外装工事以外の工事を実施する場合の加算保険料などで構成されています。そのほか、現場検査料です。
事業者登録は税抜きだと初年度新規ユーザーの場合、12,000円、初年度既存ユーザーは8,000円、更新料は、年8,000円です。以下は保険金額3,000万円による保険料の一例です。Web申込みの場合の費用となっています。
基本保険料:60,120円
【住宅設備耐力性能に関わる工事】
- 外部鉄部(防錆工事):3,170円
- 給排水管路:6,340円
- 住宅設備:9,500円
- 耐力性能に関わる工事:12,670円
- 給排水管路の更新のみの場合:34,780円
費用は施工業者が負担するケースは多いものの、管理組合が直接契約する「発注者加入型」も可能です。契約方式によっては、施工会社と管理組合が保険料を折半する形も選べます。
この程度の保険料で、10年間の保証と倒産リスク補償が得られるわけです。長期的には十分に投資価値があると言えます。特に修繕周期が10〜12年のマンションでは、次回修繕までの保証をカバーできます。
導入判断の基準|瑕疵 保険が必要なケースとは
瑕疵保険はすべての修繕に必要とは言えません。導入の際は、費用対効果を踏まえて判断することが大切です。
導入すべきケース
以下、必須ではありませんが瑕疵保険を、導入検討したほうがいいケースです。
- 工事費が1,000万円を超える大規模修繕
- 下請け業者が多く、品質管理が複雑な現場
- 外壁・防水など「水密性・構造安全性」に関わる工事
- 管理組合が施工内容を十分監理できない場合
このようなケースに該当するなら、保険による第三者保証を付与することで、再修繕リスクを確実に回避できます。
導入は慎重にしたほうがいいケース
一方、慎重に判断したほうがいいケースもあります。
- 小規模補修(数十万円単位)や短期工事
- すでにメーカー保証(10年防水保証など)が付帯している場合
- 同一業者による長期メンテナンス契約がある場合
このような場合は、重複保証となる可能性があり、費用負担に見合わないこともあります。
保険付き施工業者を選ぶためのチェックポイント

瑕疵保険に加入できるのは、保険法人が審査し「技術的信頼性がある」と認定した登録業者に限られます。兵庫県での選定では、以下の5点を確認しましょう。
- ハウスジーメンの登録事業者であるか
- 保険対象工事(防水・外壁・コンクリート補修等)の実績があるか
- 中間検査・完了検査に対応できる体制を持つか
- 保険証書発行までのスケジュールを明確に説明できるか
- 倒産時の補償フロー(代行補修や直接支払)を理解しているか
このような条件を満たしている業者なら、施工品質・法令遵守・説明責任の面で安心です。
また、瑕疵保険の検査は最低限の品質保証を目的としています。赤外線調査や付着試験などの追加品質検査を組み合わせることで、より高精度な監理体制を構築できるのです。
兵庫県内での実務と相談先
兵庫県には、ハウスジーメン関西支店(大阪市淀川区)があります。その他にも県内各地に登録検査員が配置されているのです。保険契約や検査立会は、神戸・姫路・明石などの主要都市でも実施できます。
以下は相談窓口です。
FAQ|大規模修繕における瑕疵保険についてよくある質問

大規模修繕にハウスジーメンの瑕疵保険を導入すべきかどうかは、管理組合やビルオーナー様にとって判断が難しいテーマです。ここでは「どこまで補償されるのか」「費用負担はどの程度か」「どんな案件で導入を検討すべきか」といった実務上よくある質問をQ&A形式で整理します。
Q. ハウスジーメンの大規模修繕瑕疵保険は、どこまでが補償対象になりますか?
主な対象は、共用部のうち構造安全性や防水性能に関わる部分です。具体的には、外壁塗装・タイル貼り替え・屋上やバルコニーの防水層・鉄部防錆・コンクリート補修などが中心となり、雨水浸入や外壁剥落、防水層の破断といった「瑕疵(施工不良)」による不具合が補償対象になります。
一方、美観向上だけを目的とした色替えや、各戸専有部の内装リフォーム、小規模なパッチ補修などは原則として対象外です。契約前に「どの工事が保険対象か」を仕様書とセットで確認しておくことが重要です。
Q. 保険料はどのくらいかかり、誰が負担するのが一般的ですか?
保険料は保険金額・工事内容・保証範囲によって変動しますが、ハウスジーメンの場合は基本保険料に加え、給排水管路や鉄部、防水などの対象工事ごとに加算保険料が設定されます。
たとえば保険金額3,000万円クラスでは数万円〜十数万円程度が目安となり、これに現場検査料が加わるイメージです。費用負担としては、施工業者が自社負担で付保するケース、管理組合が「発注者加入型」で直接契約するケース、双方で折半するケースなどがあり、工事規模や発注形態に応じて取り決められます。
見積書の段階で「保険料を誰がどのように負担するか」を明記しておくことをおすすめします。
Q. どのような大規模修繕工事で、瑕疵保険の導入を検討すべきでしょうか?
目安としては、工事費が1,000万円を超えるような外壁改修・防水改修・タイル全面補修など、再不具合が発生した場合の再工事コストが大きくなる案件で導入を検討する価値があります。
また、元請の下に複数の下請け・孫請けが入るなど品質管理が複雑な現場、管理組合側で技術的な監理が十分に行えない場合、施工会社の経営基盤に不安がある場合なども、保険による第三者保証を付けるメリットが高くなります。
一方で、数十万円規模の部分補修や、メーカー保証がすでに10年付帯している単独防水工事などでは、費用対効果を慎重に検討すべきでしょう。
株式会社エースと備える大規模修繕の瑕疵リスク対策|まずはご相談から

大規模修繕は、完了した瞬間に「終わり」ではなく、数年後・10年後の性能まで含めて責任を負うプロジェクトです。とくに外壁タイルや防水層の不具合、雨漏りの再発といったトラブルは、一度発生すると補修費用だけでなく、入居者対応やテナントクレーム、機会損失など目に見えないコストを生みます。
兵庫県内でも、工事完了後に施工業者の倒産や瑕疵をめぐる紛争が発生し「どこまで誰が責任を負うのか」という問題に直面する管理組合やオーナー様は少なくありません。こうしたリスクに備える選択肢のひとつが、ハウスジーメンの大規模修繕瑕疵保険をはじめとする第三者保証の活用です。ただし、どの工事を保険対象に含めるのか、既存のメーカー保証とどう整理するのか、保険料を誰が負担しどこまでを保証範囲とするのかといった点は、工事仕様とセットで設計する必要があります。
株式会社エースでは、兵庫県内のマンション・商業ビルを対象に、外壁・防水・鉄部改修などの工事内容とリスク特性を踏まえた「瑕疵保険の導入検討」についてもご相談を承っています。ハウスジーメンなどの保険スキームを前提にした工事仕様の整理や、長期修繕計画との整合、管理組合総会での説明資料づくりまで含めて、法人・管理組合側の立場からわかりやすくサポートいたします。
具体的な保険商品名が未定の段階でも「自分たちの大規模修繕に瑕疵保険は必要か」「費用対効果をどう判断すべきか」といったお悩みからで構いません。問い合わせフォームからのお問い合わせ、メールでのご相談、電話でのご質問、ショールームへのご来店相談など、貴社のご都合に合わせた方法で株式会社エースがお話をお伺いします。
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